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SRI(社会的責任投資)

2005.08.24
政策科学システム研究部 土谷 和之

 SRIとは、Socially Responsible Investment(社会的責任投資)の略であり、「個人や機関投資家が、企業の収益性だけでなく社会性も考慮して投資(株式の購入)を行い、環境にやさしく、社会的な責任を果たしている企業・事業を支援していく」という投資手法を指している。もともとは1920年頃、欧米の教会が資金を運用する際にタバコやアルコール、戦争、人種差別に加担している企業の株をボイコットしたことが始まりであり、欧米では企業の社会的責任(CSR:Corporate Social Responsibility)への要請の高まりとともに、90年代以降に急速にマーケットが拡大した。
 日本でも、SRIの一種として古くから脱原発や公害反対のための株主運動等があり注1)、近年では1999年の「日興エコファンド」を皮切りに、環境・社会配慮型の企業の株を集めて投資信託として販売する「SRIファンド」も数多く販売されるようになった。
 しかしながら、米国でのSRI市場の総額が2兆1750億ドル(約240兆円、2003年)、欧州では3500億ユーロ弱(約45.5兆円、2003年)程度と推定される一方、日本のSRI市場規模は2005年現在でも約1,000億円程度となっており、欧米に大きく遅れをとっている。また、日本のSRIファンドにおける上位組入銘柄を見ると、特定の大企業の株式に偏っている傾向も見られ、多様な価値観を反映したSRIファンドが揃っているとは言い難い。ある程度収益性・安定性を確保するために大企業の株式に偏っていると考えられるが、環境や社会に配慮した企業であれば、多少の収益性・安定性を犠牲にしても投資したいという価値観もあり得る。今後は銘柄の選定等により工夫を凝らし、多様な価値観を反映できるファンドを開発することが求められよう。
 また、さらに積極的に、公共性の高い事業の資金調達手段としてSRIを活用するという方向性も拡大するべきであろう。米国では地域開発投資(Community Development Investment)と呼ばれる枠組みの中で、低所得者層やマイノリティへの住宅供給や起業支援が行われており、日本でも近年、市民風車事業や太陽光発電所への市民出資が行われている注2)。こうした取り組みを通じて、SRIの裾野が更に広がりを見せると期待される。

注1)90年代以降多く設立されたNPOバンクへの出資もSRIの一形態と考えられる。
注2)株式会社自然エネルギー市民ファンドHP http://www.greenfund.jp/、おひさま進捗エネルギー有限会社 HP http://www.ohisama-energy.co.jp/index.html 等を参照のこと。

参考資料)
SIF-JAPAN HP:http://www.sifjapan.org/
「SRI 社会的責任投資入門 市場が企業に迫る新たな規律」(谷本寛治編著、日本経済新聞社)


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