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近年企業の社会的責任の対象や行政施策・事業への住民参加などにおいて、「ステークホルダー」及び「ステークホルダー・マネジメント」について論じられることが多い。では、この「ステークホルダー」とは誰のことだろうか。
辞書によれば、「ステーク」とは「何かの結果によって失う危険のある大事なもの」である。代表的には賭け金や投資などであるが、「賭け」の対象という意味で、名声やキャリア、生活環境、安全等々、有形無形の多様なものも含む。つまり、「ステークホルダー」は企業や行政等の意思決定によって、自らの大切なものに大きな影響を受ける人々ということになる。
例えば企業で考えると、直接的には「投資家」「株主」があげられる。他に金銭的な利害が生じる対象として「ビジネスパートナー」「取引先」「従業員・労働組合」、そして商品・サービスの購買によって利害を受ける「利用者・消費者」などがある。
従来、企業のステークホルダーとしてはこのような範囲で考えられていたが、社会の持続可能性と企業活動との強い関連に社会的関心が高まる中、企業が責任を負うべきステークホルダーの範囲は拡大している。
商品・サービス・事業活動が雇用の安定、社会の秩序、倫理等に与える影響を考えれば「地域住民」「産業界」「地方自治体・関連省庁」なども含まれ、また、生活環境、自然環境に与えるリスクを考えると「原料採取、製造、流通、販売、廃棄を行う全ての地域に関わる人々」が含まれることになる。特に、共有する地球環境に対して事業活動が影響を与えているという視点に立てば、影響を受ける範囲は「全人類」「次世代」などにまで及ぶことになる。
さて、このように拡大するステークホルダー(所謂「マルチ・ステークホルダー」)に対して、企業はどのように対応すべきだろうか。まず、それぞれのステークホルダーに及ぼす影響の内容や大きさ、そしてリスクの緩和方策について明快に説明することが、大事なものを託す相手としての信用を得ることにつながる。そのためにも、様々なステークホルダーの特徴や利害関係、ニーズなどを正確に把握し、それぞれに適切なコミュニケーションを図っていくことが重要な課題である。
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